査定額が不動産会社ごとに違う理由

高い・低いよりも「根拠」を見るべき理由

不動産の査定を依頼すると、同じ物件なのに不動産会社ごとに金額が違う、ということは珍しくありません。

「どれが正しいのか分からない」「一番高い会社に頼めばいいのか」そう感じる方も多いですが、実は査定額が違うこと自体は、異常ではありません。

この記事では、なぜ査定額に差が出るのか、その背景と正しい見方を整理します。

そもそも査定額とは何を示しているのか

査定額は「保証価格」ではない

まず大前提として、査定額は「この金額で必ず売れます」という保証ではありません。

査定額とは、想定される市場価格・販売期間の見込み・売却戦略を加味した予測値をもとにした、仮の目安です。

未来の価格を予測している数字

査定は、これから売り出す・一定期間で成約するという「未来」を前提にしています。

そのため、不動産会社ごとに考え方が違えば、査定額が違うのは自然なことです。

査定額が違う主な理由①|見ている事例が違う

参照している成約事例が異なる

不動産会社は査定の際、近隣の成約事例・類似条件の物件・過去数か月〜数年のデータを参考にします。

ただし、どの事例を重視するか・新しい事例を使うか・条件の近さをどう評価するかは、会社ごとに異なります。

印西市のようなエリアでは差が出やすい

印西市では、同条件の物件が少ない・エリア差が大きいため、どの事例を選ぶかで査定額が変わりやすくなります。

査定額が違う主な理由②|販売期間の想定が違う

「早く売る」か「時間をかける」か

査定額は、3か月で売る想定・半年〜1年かけて売る想定のどちらを前提にするかで、金額が変わります。

短期間で売る前提なら控えめに、時間をかけるなら高めになる傾向があります。

売主の事情をどう捉えているか

不動産会社は、住み替え期限・相続かどうか・空き家か居住中かといった事情も加味して査定します。ヒアリングの深さによって、査定額に差が出ることもあります。

査定額が違う主な理由③|会社の戦略の違い

媒介契約を取りたい「高め査定」

中には、他社より高く見せる・とりあえず契約を取りたいという意図で、高めの査定額を出すケースもあります。

これは必ずしも悪意とは限りませんが、注意が必要なポイントです。

現実重視の「堅実査定」

一方で、値下げを前提にしない・成約確度を重視する会社は、比較的現実的な金額を提示する傾向があります。

この場合、初見では「低く感じる」こともあります。

査定額を見るときに大切な視点

金額よりも「理由」を聞く

査定額を見る際に重要なのは、なぜこの金額なのか・どの事例を使っているのか・どんな売り方を想定しているのかという説明です。

根拠が説明できない査定額は、参考情報としての価値が下がります。

複数査定は「比較のため」

複数社に査定を依頼する目的は、一番高い会社を選ぶためではなく、考え方の違いを知るためです。

比較することで、自分の物件の強み・弱みが見えてきます。

査定額とどう向き合うべきか

最初から一つに絞らない

査定額は、あくまで検討材料の一つです。すぐ売る必要があるのか・時間に余裕があるのか・価格を優先するのか。ご自身の状況と合わせて考えることが大切です。

最終的に決めるのは売主自身

査定額は、不動産会社が「提案」する数字であって、決定するのは売主です。

納得できる説明を受けたうえで、自分に合った判断をすることが、後悔のない売却につながります。

まとめ|査定額の差は「情報量の差」

査定額が不動産会社ごとに違うのは、見ている事例・想定している販売期間・会社の戦略が違うためです。

大切なのは、金額の高さではなくその根拠と考え方を理解すること。

数字に振り回されず、納得できる判断材料として査定を活用することが、安心できる不動産売却への第一歩です。

【著者】印西市を中心に、空き家・住み替え・相続に関する不動産支援を行う地域密着の不動産実務家(うららか不動産)。日々の現場対応で得た経験をもとに、地域の暮らしに役立つ情報を発信しています。