【印西市】土地売却前に知っておきたい公図と地積測量図の違い

印西市で土地売却を検討する際、「公図」と「地積測量図」の違いを理解しているかどうかは、境界トラブルや査定額に直結する重要なポイントです。

公図は位置関係を把握するための参考図である一方、地積測量図は測量に基づいた正式な面積・境界を示す図面です。

本記事では、この2つの違いを不動産実務の視点から整理し、売却前にどちらを確認すべきか、実測が必要になるケースの考え方をわかりやすく解説します。

使っていない土地の扱いで迷うときは、空き地・農地ページを見ると整理しやすいです。

公図と地積測量図とは?

  • 公図(こうず):土地の位置や形状、地番の配置を示す法務局備付けの図面。明治期の地租改正を基に作成されたものが多く、精度は低め。
  • 地積測量図:土地の境界・面積・寸法を正確に示す測量士作成の図面。登記申請時に添付されるもので、精度が高い。

印西市でも、ニュータウン開発エリアは比較的整備された地図が多い一方、旧農地や山林では旧公図しか存在しないケースがあります。

公図と地積測量図の違い【比較表】

土地売却では、公図だけで判断せず、地積測量図の有無によって実測や境界確認が必要かを検討することが重要です。

項目公図地積測量図
図面の目的土地の位置関係を把握するため土地の面積・境界を確定するため
作成のもと明治期の地図等をもとに作成実際の測量結果に基づき作成
面積の正確性正確とは限らない原則として正確
境界の確定力境界を確定する効力はない境界確定の根拠になる
売却時の使われ方参考資料として提示査定・契約判断の重要資料
トラブル防止効果低い高い
実測の有無実測ではない実測に基づく
登記との関係登記情報の補助資料登記される正式図面
印西市の土地売却での重要度★★☆☆☆★★★★★

実測が必要になるケース/ならないケース【判断表】

地積測量図がなく、境界標が不明確な土地では、印西市でも実測が必要になるケースが多く、公簿売買が可能かどうかは個別判断となります。

判断ポイント実測が必要になるケース実測が必ずしも必要でないケース
地積測量図の有無地積測量図が存在しない地積測量図が登記済み
登記面積と現況公簿面積と現況にズレがありそう公簿面積と現況が一致している
境界標の状況境界標が欠損・不明確境界標が全て確認できる
隣地との関係隣地との境界で認識の違いがある隣地所有者と境界認識が一致
売却方法実測売買を希望・求められている公簿売買で合意できる
買主の属性一般個人・住宅購入者事業者・買取業者
土地の形状不整形地・旗竿地・造成地整形地・区画整理地
トラブルリスク将来の境界トラブルが懸念されるトラブルリスクが低い
査定・価格への影響価格調整が必要になる可能性あり価格への影響が小さい
印西市での実務判断実測を行うケースが多い実測を省略することもある
  • 実測=必ず費用がかかるとは限らない
  • 売却前ではなく「買主が決まってから」実測するケースもある
  • 公簿売買でも契約できるが、説明と合意が重要

公簿売買と実測売買の違い【比較表】

項目公簿売買実測売買
売買面積の基準登記簿上の面積実測した面積
境界の扱い境界未確定でも可能境界確定が前提
面積の誤差誤差が生じる可能性あり誤差がほぼない
売買価格面積差があっても原則変更なし実測面積に応じて調整
売主の負担比較的少ない測量費用・時間が必要
買主の安心感低め高い
トラブルリスク境界・面積トラブルの可能性トラブルリスクが低い
向いている土地古い宅地・農地・山林宅地・分譲用地
向いている買主買取業者・事業者一般個人・住宅購入者
印西市での実務利用されるケースが多い住宅用地では主流
  • 公簿売買でも違法ではない
  • 実測売買は「安心を買う」選択
  • 土地の状況・買主次第で最適解は異なる

実測費用の目安【測量種類別】

印西市で土地売却に必要となる実測費用は、境界確定測量で40万〜80万円程度が目安となり、売却条件や買主の要望によって実施の要否が判断されます。

測量の種類内容費用の目安(税込)期間の目安主な利用場面
現況測量現在の土地形状・寸法を測る約10万〜30万円1〜2週間参考資料、簡易確認
確定測量(境界確定測量)隣地立会いを行い境界を確定約40万〜80万円1〜3か月実測売買、住宅用地
地積更正登記実測結果を登記面積に反映約5万〜15万円2〜4週間登記面積修正
分筆測量土地を分けるための測量約60万〜120万円2〜4か月一部売却・相続整理
合筆測量複数の土地を一体化約20万〜50万円1〜2か月整形・利用効率向上
  • 必ず売主が全額負担するとは限らない
  • 売却成立後に実施するケースもある
  • 公簿売買を選べば測量不要な場合もある

測量をしないで土地を売却する場合の注意点

土地売却は、必ずしも測量を行わなければならないわけではありません。
ただし、測量を行わずに売却する場合には、事前に理解しておくべき注意点があります。

① 面積の増減による価格調整ができない

公簿売買では、登記簿上の面積を前提に価格を決めるため、実際の面積に差があっても、原則として売買価格は変更されません。

そのため、売主・買主双方が「面積差が生じる可能性がある」ことを理解したうえで契約する必要があります。

② 境界に関する将来トラブルの可能性が残る

測量を行わない場合、境界が未確定のままとなり、
将来的に、

  • 隣地との境界認識の違い
  • 建替えや造成時の問題

が生じる可能性があります。

特に、古い宅地や農地では注意が必要です。

③ 買主が限定され、売却期間が長くなることがある

測量を省略した土地は、

  • 一般個人の住宅購入者
  • 金融機関の融資対象

として敬遠される場合があります。

その結果、買取業者や事業者が主な買主となり、売却に時間がかかる、または価格調整が必要になるケースもあります。

④ 売却後の責任範囲を明確にしておく必要がある

測量をしない売却では、契約書や重要事項説明書で、

  • 境界未確定であること
  • 面積差が生じる可能性

明確に記載することが重要です。

説明不足は、売却後のトラブルにつながるおそれがあります。

⑤ 「測量しない=リスクが高い」とは限らない

測量を行わない売却でも、

  • 公簿売買での合意
  • 買主が事業者である
  • 土地の利用目的が明確

といった条件がそろえば、実務上問題なく取引されるケースも多くあります。

重要なのは、リスクを理解したうえで売却方法を選択することです。

境界確定ができない場合の対応策

土地売却では、隣地所有者の不在や合意が得られないなどの理由で、境界確定測量が実施できないケースもあります。
その場合でも、売却をあきらめる必要はありません。

① 公簿売買として条件を明確にして売却する

境界確定ができない場合でも、公簿売買として売却すること自体は可能です。

この場合は、

  • 境界未確定であること
  • 面積差が生じる可能性
  • 将来の境界問題は買主が引き継ぐこと

を契約書・重要事項説明で明確にし、双方の合意を前提に取引を進めます。

② 現況測量のみを行い、参考資料として活用する

隣地立会いを伴う確定測量ができない場合でも、
現況測量を行うことで、

  • 現在の土地形状
  • おおよその面積
  • 境界標の位置

を把握できます。

確定ではありませんが、買主にとっての判断材料として有効です。

③ 買主を「事業者・買取業者」に絞る

境界未確定の土地は、一般個人よりも不動産業者や事業者のほうが対応しやすい場合があります。

  • 将来の測量を前提に購入
  • 価格調整でリスクを吸収

といった形で、現実的な売却が可能になるケースもあります。

④ 価格調整によってリスクを織り込む

境界確定ができないこと自体を「売れない理由」にする必要はありません。

  • 実測売買ができない
  • 将来費用が発生する可能性

といった点を踏まえ、価格で調整するという選択肢もあります。

⑤ 境界問題を将来に持ち越す前提で整理する

すぐに売却せず、

  • 相続登記を先に済ませる
  • 隣地所有者の状況を調べる
  • 時間をかけて解決を目指す

といった判断も有効です。
売却の「タイミング」を見直すことも、ひとつの対応策です。

境界確定ができない=売却不可ではありません。

境界確定ができない土地でも、公簿売買や現況測量、買主選定や価格調整によって売却は可能であり、状況に応じた対応策を選ぶことが重要です。

土地の状況に応じて、最適な売却方法を選ぶことが現実的な解決策です。

測量費用は誰が負担する?

土地売却における測量費用については、法律で「必ず売主が負担する」と決まっているわけではありません。

実際には、売却方法・契約条件・買主の属性によって負担者が変わります。

① 原則は「売主負担」が多い理由

一般的な個人間売買では、

  • 売主が境界を明確にして引き渡す
  • 実測売買として面積を確定させる

という考え方が主流のため、売主が測量費用を負担するケースが多いのが実情です。

特に、

  • 実測売買
  • 境界確定を条件とする売買

では、売主負担が前提になることが多くなります。

② 買主が負担するケースもある

以下のような場合は、
買主が測量費用を負担するケースもあります。

  • 公簿売買で契約する場合
  • 将来の建築や開発を前提とした購入
  • 不動産業者・事業者が買主の場合

この場合、
売買契約書に「測量費用は買主負担」と明記することが重要です。

③ 折半(売主・買主で分担)するケース

売主・買主双方の事情を踏まえ、測量費用を折半するという判断もあります。

例えば、

  • 境界未確定だが売主も整理したい
  • 買主も早期に測量を希望している

といった場合、交渉によって柔軟に決められることもあります。

測量しない場合は費用は発生しない?

測量を行わなければ、当然ながら測量費用は発生しません。

ただしその場合、

  • 公簿売買になる
  • 面積差による精算はしない
  • 境界トラブルのリスクが残る

という点を、契約書・重要事項説明で明確にしておく必要があります。

売主が負担した測量費は価格に上乗せできる?

測量費を「別途請求」として上乗せすることはできませんが、売出価格に織り込むこと(実質的な上乗せ)は可能です。

これは印西市を含む一般的な不動産売買実務でも共通です。

なぜ「別途請求」はできないのか

測量費は、

  • 売主が売却準備のために支出した費用
  • 土地そのものの対価とは別の費用

と考えられるため、

  • 「土地代+測量費〇〇円」という請求
  • 買主に測量費の領収書を根拠に請求

といった形は、通常の個人間売買では受け入れられません。

実務で行われる「正しい上乗せ方法」

① 売出価格に織り込む(最も一般的)

例:

  • 想定成約価格:2,000万円
  • 測量費:60万円

売出価格を2,060万円前後に設定

この場合、

  • 境界確定済
  • 実測済
  • トラブルリスクが低い

という付加価値として説明します。

② 価格交渉時の材料として使う

買主から価格交渉が入った際に、「すでに実測・境界確定まで完了しています」と説明することで、

  • 値引き幅を抑える
  • 価格維持の根拠にする

という使い方も非常に効果的です。

上乗せが成功しやすいケース

次のような場合は、測量費を価格に反映しやすいです。

  • 実測売買
  • 境界確定済土地
  • 古い公図の土地
  • 農地転用地・元畑
  • 隣地が複数ある土地

印西市では特に、区画整理前後・農地由来の土地で評価されやすい傾向があります。

上乗せが難しいケース

一方で、次のケースでは注意が必要です。

  • 価格相場がシビアなエリア
  • 公簿売買が一般的な地域
  • 小規模な面積差しかない場合

この場合は、

  • 無理に全額回収しようとしない
  • 売却スピードとのバランスを取る

判断が重要です。

測量費は「回収する」のではなく「価値に変える」

土地売却における測量費は、単なる出費ではなく、売却条件を整えるための投資です。

売主が負担した測量費を「別途請求する」ことはできませんが、

  • 境界が明確である
  • 実測済で面積トラブルがない
  • 契約後のリスクが低い

という安心材料として、売出価格や交渉条件に反映させることは十分可能です。

測量を行うことで得られる本当のメリット

  • 買主からの信頼が高まる
  • 値引き交渉の余地が小さくなる
  • 売却までのスピードが上がる
  • 契約後のトラブルを防げる

特に印西市のように、

  • 農地由来の土地
  • 区画整理前後のエリア
  • 公図と現況に差が出やすい地域

では、測量済みであること自体が大きな評価ポイントになります。

判断のポイントは「費用」ではなく「戦略」

測量をするかどうかは、

  • いくらかかるか
  • 回収できるか

だけで判断するのではなく、

  • 売却価格
  • 売却期間
  • トラブルリスク

を含めて、総合的に判断することが重要です。

土地売却で迷ったら

  • 測量が必要か
  • 公簿売買でよいのか
  • 実測売買にすべきか
  • 費用をどう価格に反映させるか

これらは、土地の条件やエリア特性によって正解が変わります。

印西市で土地売却を検討している場合は、測量・境界・売却方法を一体で考えられる不動産会社に早めに相談することが、結果的に損をしない近道です。

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【著者】印西市を中心に、空き家・住み替え・相続に関する不動産支援を行う地域密着の不動産実務家(うららか不動産)。日々の現場対応で得た経験をもとに、地域の暮らしに役立つ情報を発信しています。